なぜ私は出ないの?~便秘になる10の要因~ | 便秘には、一に養生・二に漢方!

なぜ私は出ないの?~便秘になる10の要因~


便秘に悩まされている方も、生まれつき便秘症だったわけではありません。生活していく中の何かのきっかけで便秘になってしまったのです。

腸の手術などで便秘になってしまったということを除けば、最初は軽度の便秘症でそれが徐々に悪化し慢性的な便秘になってしまったのです。つまりは、腸内環境が悪化したのです。それにはどんな原因があるのでしょうか。

また、どの原因にあてはまるのかを自覚すれば、簡単に改善できるものもたくさんあります。

便秘を治すのは“薬”ではなく“あなた自身”です。

 

1.食生活の欧米化、偏った食生活

ここ40年で日本の食事は大きく変わりました。日本食中心から欧米食中心、特に肉食や乳製品を多く摂る食事に変わったことによって、高タンパク高脂肪の食事が腸内環境に悪影響を及ぼし、食物繊維の摂取量が減少してしまったことで便が作られない食事になってきてしまいました。

また、朝食を摂らない人が増えています。朝は腸が一日のうちで一番動く時間帯です。その時間に食事をし腸を刺激することで便意が起こるのですが、朝食を摂らないとその便通チャンスを逃すことになり、規則正しい排便リズムがつくれなくなるのです。ダイエットをする女性が増えたことで、朝食を摂らなかったり少ししか食べないという人が増えてきたのも原因の一つです。

 

2.排便を我慢する

朝、時間がなく便意があってもトイレに行く時間がなかったり、仕事中やお出かけの際に便意があってもトイレに行けるタイミングではなかったり、恥ずかしさから我慢をすると、腸が鈍感になり便意が起こりにくくなります。結果、便は溜まっていき、溜まった便は腸内で水分を吸収され、また腐敗し硬くなり、さらに出にくくなるのです。

 

3.不規則な生活

腸の働きと排便は自律神経(交感神経と副交感神経)のうち副交感神経の働きによって起こるのですが、夜更かしやリズムがバラバラな生活を送ると、自律神経が乱れ交感神経が優位になります。すると副交感神経の働きが抑えられてしまい、腸の動きを抑制してしまうのです。

副交感神経が最も働くのは睡眠中なので、しっかり睡眠をとることが大切です。

 

4.過大なストレス

腸はストレスの影響を受けやすい敏感な臓器です。例えば、学校のテストや人前に出て発表をする等、大きなプレッシャーやストレスを感じたとき、お腹の調子が悪くなったことはありませんか。まさに、腸が敏感に反応した証拠です。

また、旅行に行くと便通が悪くなるというケースもあるかと思います。これもいつもと違う生活パターンによる緊張が原因です。

緊張やストレスは自律神経を乱し、交感神経を優位にし腸の動きを抑制してします。

現代は、職場や家庭での人間関係、多忙な毎日、仕事でのプレッシャーと、多くのストレス要因があり、イライラや悩みの種はつきません。生きていく以上、全てのストレスから逃れることはできないので、休息する時間をしっかり作ることが大切になります。

 

5.季節、気温の変化による乱れ

便秘は体の冷えと大きく関係しています。

冬場、寒いと体の動きが鈍くなるのと同じで、腸の動きも鈍くなります。これは血液循環が悪くなるためです。腸に流れる血液の循環も悪くなるので、動きも鈍くなります。冬場は、夏に比べ水分摂取量も少なくなるので、便の水分が足りず、硬いコロコロ便になりやすいです。

夏場でも、多量の汗で体内の水分を失っているのに、その分を補給しないと便の水分も失われます。また、夏場は冷たい飲み物、食べ物を多く摂りますので、それが体を冷やし便秘につながります。クーラーの効いた部屋も冷えの原因になります。

>>詳しくはこちらをごらんください。

 

6.運動不足

運動不足は筋力の低下につながりそれが排便におけるパワー不足になります。しかしそれより重要なのは、運動不足により血液循環が悪くなり腸に血液が巡らないということです。運動をすることで血流がよくなり腸にも血液が潤滑に流れることで腸の働きが活発になります。

>>詳しくはこちらをごらんください。

 

7.開腹手術による不調

開腹手術後は便秘になりがちです。手術による腸の動きの低下、傷に障るので排便時に下腹部に力を入れられない、術後の運動不足、腸管が癒着してしまい便の通過が妨げられる、といったことが起こります。

腸の癒着においては医師に相談することをオススメしますが、その他においては食養生と生活養生でずいぶんと回復できます。

 

8.女性特有のホルモンバランスの変化

生理前になると、女性ホルモンのうちの黄体ホルモンの分泌が多くなりそれが便秘を引き起こします。

黄体ホルモンは水分を吸収しますので、便の水分もいつも以上に吸収されやすく、硬い便になりやすいです。

また、黄体ホルモンの分泌が多くなることでホルモンバランスが崩れますと、自律神経に影響してきます。自律神経が乱れますと腸の動きを鈍らせますので便秘になります。

>>詳しくはこちらをごらんください。

 

9.加齢

年をとると、誰でも腸の働きは弱まってきます。筋力の低下とともに、排便力が弱くなります。

高齢者の腸をX線で撮影しながら、便の移動時間を調べた研究では、便の溜まりやすいS状結腸や直腸(腸の最後のあたり、肛門に近い部分)で特に滞留時間が長いことが確認されています。残便感を感じるのはこのためです。

また、60歳を過ぎた頃から善玉菌が減少し始め悪玉菌が勢力を増してきます。腸内環境が悪くなるのです。便が若い時より臭いのはこのためです。

 

10.薬の副作用

市販薬などドラッグストアなどで売られている薬の副作用に便秘を誘発するものがあります。それらを服用することにより一時的に便秘になることがあります。風邪薬や花粉症の薬にも含まれていることが多いのですが、それらは基本的には服用をやめれば便秘は治りますが、それがきっかけで便秘になってしまうというパターンもあります。この場

合は食事や生活などに気を付けて腸に優しい生活を心がけていれば回復してくるでしょう。

便秘の原因のほとんどは、何気なく生活している中に潜んでいます。

上記の10個を見て、何か引っかかるところはありましたか。

原因がわかれば対処法も見えてきます。

まずは、ご自身がなぜ便秘になったのか探してみてください。

 

 

【参考文献】

腸はぜったい冷やすな!松生恒夫著 光文社新書

山口トキコ著「解明!あなたの処方箋 本気で治したい人の腸の不調」(学研マーケティング)

 

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