“冷え”は“便秘”を頑固にする | 便秘には、一に養生・二に漢方!

“冷え”は“便秘”を頑固にする


■冷えは便秘の大敵

皆さんは、便秘を改善するために、また宿便を出すためにどのようなことを行っていますか?

食物繊維をたくさん摂る、ヨーグルトを食べる、運動をする。

多くはこのような答えが返ってきます。しかし、便秘はこの3つだけで改善するものではありません。

その他いくつか原因がありますが、その中でも特に気を付けなければいけないのが、“冷え”です。

冬場の寒い日、体の動きが悪くなるのと一緒で、体が冷えていると腸も動きが悪くなります。

体が冷えるということは、血液の循環が悪くなっていることを意味します。特に手足の末端は血流が悪くなります。

すると、もちろん腸に流れる血液の循環も悪くなるので、腸の動きが鈍ります。動きが鈍れば、便を出す力も弱くなるので便秘になります。

 

「お風呂につかるとおならが出る」という経験、皆さんにはありませんか。

これはまさに、お腹が温められたことによって、腸が動いた証拠なのです。

 

“冷え”は便秘改善の3原則である、「便を作る力」「便を作る力」「便を出す力」の「便を出す力」が欠けてしまいます。

 

2011年3月11日に起きた東日本大震災。

この未曾有の危機は人々に様々な健康被害をもたらしましたが、その一つが便秘なのです。

当時、東北地方は気温が低く、お腹(体)が冷える、トイレ不足などで、便秘になったり症状が悪化した人が急増しました。

また、1995年1月17の阪神・淡路大震災では、被災者の約40%が被災後に便秘を認めたという記録が残っています。

この2つ事例は、冬の寒い時期だったので、お腹の冷えも大きく関与したものと思われます。

 

 

■漢方で考える“冷え”とは

冷え性は、体の中に栄養や熱、力が足りない状態で、漢方では虚証(陰性)といわれています。

漢方では、体質を大きく「陽性」と「陰性」にわけ、その中間の「間性」の体質にするることができれば健康を保てると考えます。 「陽性」とは、温かい(熱症)状態であり、体内に栄養が充実した状態(実証(じっしょう)ともいう)。  一方「陰性」とは、逆に冷たい(冷え性)状態で、栄養が虚した状態(虚証(きょしょう)ともいう)をいいます。

体から“余分な水分を出すこと(利水剤)”、“血の巡りをよくすること(補血剤)”、“血の滞りをなくす(駆瘀血剤)、“体を温めること(温剤)”、主にこの4つの力で冷えの症状を緩和していきます。

冷え性は、「万病の元」とも言われ、便秘はもちろん、頭痛、下痢、肩こり、食欲不振、生理不順、不妊、むくみ、ひいては、うつ病、神経症、自殺などの精神疾患にも関わってきます。

これらを見てお気づきかもしれませんが、便秘による症状ととてもよく似ています。

そうです。便秘と冷えは表裏一体。便秘であれば冷え症になり(なりやすい)、冷え症であれば便秘になる(なりやすい)のです。

 

 

■女性に冷え性が多い原因

女性は毎月、排卵と生理が定期的にやってきます。その時期は女性ホルモンのひとつ、黄体ホルモンの分泌が増える時期です。ホルモンバランスの変化は自律神経のバランスにも影響してきます。

体温調節機能は、自律神経によってコントロールされていますので、「女性ホルモンのバランスが変化する」→「自律神経に影響」→「体温調節機能の低下」→「冷え」となります。

また、女性は熱を作る筋肉が男性に比べ少ないことも“冷え”を引き起こす原因です。

 

 

■手軽にできる “冷え対策”

1.足湯

婦人科系でお悩みのお客様には必ずご紹介しています。足には“三陰交”と呼ばれる婦人科系によいツボを温めることによって、血行がよくなり、体が芯から温まります。

子宝相談で訪れるお客様からは、「足湯をやったことで体の調子がとてもよくなった。」という声がとても多く聞かれます。

 

 

 

2.靴下の履き替え

足の裏は汗をかきます。靴が蒸れるのはそのためです。蒸れた靴下をそのままにしておくと、濡れた靴下で足元が冷やされ、冷えを感じます。

一日4回を目安にやってみてください。

汗をかいたら服を着替えるのと同じで、靴下もいつも乾いたものを履くようにしましょう。

 

3.腹巻の着用

手袋やマフラー、靴下を身に着けたら、是非腹巻も着てみてください。腹巻は腸をダイレクトに温めますので、便秘にはとてもよいです。

 

4.お風呂にしっかりつかる

毎日シャワーで済ませていませんか。

たまごにシャワーをかけてもゆでたまごにはならないことからわかるように、シャワーでは体は芯からあたたまりません。湯船にしっかりつかることで体は芯から温まります。

お湯の温度は、40℃くらいがよいでしょう。熱いお湯で短時間にすませる「カラスの行水」ではなく、ぬるめのお湯にゆっくりつかることが大切です。

 

5.体の温まる食べ物を食べる

冷たい食べ物、飲み物を少なくし、暖かいものを食べるように心がけましょう。

冷たいジュースやビールはもちろん、野菜や果物も体を冷やします。

野菜を食べるときは、「温野菜」にしてみてください。

温野菜は、体を温めますし、生野菜よりもしんなりしてカサが減りますので、たくさん食べることができます。

また、最近では「オリーブオイル」が注目を集めています。

ある実験によると、ビーカーに80℃のお湯180ccと、同じお湯に小さじ1杯(約5cc)のエキストラバージンオリーブオイルを加えたものを二つ用意し、時間と温度の下がり具合を比較したところ、約1時間後、お湯が38℃まで下がったのに対し、オイル入りは46℃だったそうです。サラダ油などほかの油とも比較しましたが、オリーブオイルが最も下がりにくかったという結果が出ています。

いつもの料理に少し加えてみてはいかがでしょうか。

 

最近、お通じの具合が悪くなったという方は、ご自身に冷えがないか、自覚がなくても上記のような生活や食事をしていないか見直してみてください。

体が温まればお通じの具合はきっとよくなってきます!

 

 

 

【参考文献】

腸寿のススメ サンデー毎日臨時創刊

腸はぜったい冷やすな!  松生恒夫著 光文社新書

 

サブコンテンツ

このページの先頭へ