“陰陽”と“虚実”の関係
■陰陽の入れ替わりは自律神経に関係している
陰陽は交感神経と副交感神経からなる自律神経の切り替わりのバイオリズムを表します。
昼間は食事や運動をするための交感神経(陽)が活発に、夜はエネルギーを備蓄して疲れを癒すための副交感神経(陰)が活発になります。
この陰陽が活発に入れ替わっているのが健康な状態です。
陽が強すぎて陰が高まりにくい人は陽証、陰が強すぎて陽が高まりにくい人は陰証です。
陽証の人は活動的で気の早いタイプが多く、陰証の人は時間を気にせずのんびりしたタイプが多くです。
■陰陽と虚実の関係
自律神経のバランスを表す「陰陽」と、体質の強さを表す「虚実」は、深く関係しあっています。
「陰陽」は1日の中で昼間は陽が強くなり、夜になると陰が強くなるというサイクルを繰り返しています。このサイクルが円滑に働いているのが中庸であり、健康な状態です。
このサイクルが陽に傾くと、男性ホルモンやアドレナリンの分泌が活発で交感神経が優位な陽証となり、心身ともに活動的な状態になります。
さらに陽が強くなると、体質そのものが実証に近づきます。この状態を陽実証といい一見健康に見えますが、実は心身の緊張度が非常に高くなった状態です。
逆に陰に傾くと、女性ホルモンやアセチルコリン、メラトニンなどのホルモンの分泌が活発な陰証となり、副交感神経の優位な状態になります。さらに陰が強くなると、体質が虚証に近づきます。これを陰虚証といい、心身ともに活動度が低い状態になります。
これらはどちらも未病の状態です。
【参考文献】
東洋医学のしくみと治療法がわかる本 丁宗鐵 著 ナツメ社